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【番外編②】福島から目を背けるな。

3年生の丸井です。

今回は、12月4日の福島調査の2日目のことを書きます。

1日目のことは堺くんの書いた記事を見ていただけたらと思います。

 

1日目は役場の人へのヒアリングでしたが、この日は仮設住宅の人へのヒアリング。

いわき市には富岡町や大熊町と、原発周辺自治体の仮設住宅が多く立ち並んでいます。

私たちはその中でも最多、いわき市内に1162世帯が住む楢葉町の仮設住宅の自治会長の高木さんにお話を伺いました。

楢葉町の仮設住宅。 左はプレハブ製で右は木造と、業者によって分かれている

楢葉町の仮設住宅。
左はプレハブ製で右は木造と、業者によって分かれている

 

 

 

 

 

 

 

高木さんはとても気さくな方で、様々なことを話していただきました。

避難所では水が最も必要だということを痛感したこと、その中でも大きいポリタンクの水より500mlのペットボトルが良い。

そして避難訓練の大切さ、しかしそれも毎回同じパターンではだめだ・・・日時や状況の想定を考えないといけないということ。

更には、原発事故を風化して欲しくないが、かといって「安全です!」と声高に叫んで福島に来てもらうわけにもいけない・・・という苦悩。

実際に災害を体験した人の話は、とても深く、考えさせられることばかりでした。ありがとうございました。

最後に皆で記念写真

最後に皆で記念写真

 

 

 

 

 

 

 

その後いわきから郡山まではローカル線(JR磐越東線)で移動。現地の人もこの区間は高速バスで移動するそうで、車内は高校生ばかり。それでも、秋らしい良い景色を見ることができました(もう初冬ですが…)

列車からの景色。景色をゆっくり見れるのは鉄道の特徴?

列車からの景色。
景色をゆっくり見れるのは鉄道の特徴?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いわきからはタクシーで、富岡町の仮設住宅の横にある、生活復興支援センター「おだがいさまセンター」へ。

急きょ住民の方にも来ていただくこととなりました。

センター開設までの経緯、被災者を支援する、と簡単に言えてもニーズはそれぞれ違うので支援が難しいということ、そして実際の被災者の支援のあり方・・・と、貴重なお話を伺いました。

 

ヒアリングの光景

ヒアリングの光景

 

 

 

 

 

 

 

この日は、ちょうど震災から1000日という日でした。センターの人も「だいぶ心に余裕ができたのではないか」とおっしゃっていたように、現地の人はあの日のことを私たちにいやな顔をひとつもせずに話してくれたのが印象的でした。

福島の復興問題は今もまだ現在進行形で、その問題は広く、とても深いということを今回の調査で改めて感じました。だからこそ、私たちはこれからもこの問題から目を背けずに、しっかり考えていかないといけない…と感じた2日間でした。

皆様、本当にありがとうございました。

【番外編①】原発事故被災地域の未来とは

いつもいつもブログを見ていただいているみなさん。

今回はなんとなんと番外編ですよ!!

担当はチャームポイントが身長の堺が担当します。

12月3日、4日に卒論に追われている甲さん、桂さんの卒論調査に私たち3回生4名がずうずうしく同行させていただきました。

初日の行先は福島県いわき市。

先輩方が原発事故の全町避難自治体や避難者の方々にヒアリングを行うことが目標です。

5時起きからの8時に京都駅へ。

そして京都から福島県いわき市へ約5時間かけ、とっとことっとこ福島県へ向かいました。

いわき市は、太平洋に接していることもあり東北とは思えないくらいとても暖かいです。

ヒアリングでもよく耳にしましたが、ほとんど雪が降らないらしいです。

植田駅に着いてまもなく、双葉町役場いわき出張所での調査に向かいました。

 

双葉町はすぐに帰町できないことや、帰町の意向調査に関して「帰りたい」と思っている町民が少ないこと、多くの町民が避難先にとけこんでしまっている。などいろいろな問題点をお聞きしました。

ヒアリング中の光景

ヒアリング中の光景

 

 

 

 

 

 

 

双葉町を通じて思ったことは、ゴールが全く見えないことで地域の再興がどんどん遠くなっている。というような感想を持ちました。

そして一番苦しいのは、自分自身も被災者であり、町を存続させなければならない町役場の人々ではないかと思います。

 

次に我々が訪れたのは、いわき明星大学にある楢葉町役場出張所です。

この楢葉町は双葉町とは違い、線量も全体的に低く早期の帰町が見込まれている地域です。

聞いたお話では、避難は町全体として移動したこと、復興に向けてコンパクトシティーを目指すこと、原発廃炉関連産業を中心産業として推進予定であること。

楢葉町に関して思ったことは、復興のゴールが目に見える範囲であるのに、人々の意向調査では2割しかいないことに対して、全町民が帰町することが本当に正しいのか?ということです。

 

そして、その夜はいわき明星大学の高木先生と夕食を共にさせていただき、地元の学者ならではのいろいろな面白い話・知見を聞かせていただきました!!本当にありがとうございました。

いわき駅の近くにある、夜明け市場。 高木先生によれば、富岡町などから避難されている人たちで運営されているとか。

いわき駅の近くにある、夜明け市場。
高木先生によれば、富岡町などから避難されている人たちで運営されているとか。

1日目で私が一番感じたことは、同じ原発事故により全町民避難している自治体でも、全然中身が違い、復興の過程も全然違う。ということです。

これに関して、双葉町の職員の方が、「同じ被災地でも、ひとまとめにしないでほしい。」という熱い言葉が一番頭に残っています。

 

しかし、逆にいろいろなチャンスが転がっているようにも思います。

例えば、原発事故の終息に向けての技術開発を行う企業を誘致することは、町にとってこの30年ほど先までの仕事が作れるのです。

今回、私は正直を言うと、福島の現在に関してほとんど無知で、興味半分でついて行ったのですが、正直驚かされることがほとんどでした。全町民避難に関して、ほとんどが滞りなく行われたことなど、新たな発見が多く大変有意義なヒアリング調査になりました。

2日目に関しては、夕食で僕に多大な迷惑をかけたゼミ長の丸井君が大変良い記事を書いてくれるみたいなので、楽しみにしてます!!(笑)

がんばれゼミ長ー!!

→【番外編②】につづく・・・

 

 

【本日のおまけ】

いわき市に到着してテンション上がっているしまださん。

いわき市に到着してテンション上がっているしまだせんせい。